・「みどりのゆび」モーリス・ドリュオン/岩波少年文庫
・「トムは真夜中の庭で」フィリパ・ピアス/岩波少年文庫
・「モーフィアスの教室」三上延/電撃文庫
・「新フォーチュン・クエスト 14 蘭の香りと消えたマリーナ 下」深沢美潮/電撃文庫
・「新装版フォーチュン・クエスト 1〜3」深沢美潮/電撃文庫
・「森博嗣の道具箱―The Spirits of Tools」森博嗣/中公文庫
・「人類は衰退しました 2」田中ロミオ/小学館ガガガ文庫
・「藤堂家はカミガカリ高遠豹介/電撃文庫
・「ほうかご百物語峰守ひろかず/電撃文庫
・「時載りリンネ! 1 はじまりの本」清野静/角川スニーカー文庫
・「時載りリンネ! 2 時のゆりかご」清野静/角川スニーカー文庫
・「赤×ピンク」桜庭一樹/角川文庫
・「ナラタージュ島本理生/角川文庫
・「犬はどこだ」米澤穂信/創元推理文庫
・「夢のような幸福」三浦しをん/新潮文庫
・「窓ぎわのトットちゃん」黒柳徹子/講談社文庫
・「不思議の国のトットちゃん」黒柳徹子/新潮文庫
・「ビートルズ・サマー レイの青春事件簿 2」松原秀行/講談社
・「旅立ち。卒業、十の話」ダ・ヴィンチ編集部
・「君のための物語」水鏡稀人/電撃文庫
・「アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭」須賀しのぶ/コバルト文庫
・「むかしのはなし」三浦しをん/幻冬舎文庫
・「Fragile-こわれもの」石崎洋司長崎夏海令丈ヒロ子花形みつる/ピュアフル文庫
・「4つの初めての物語」さとうまきこ/ピュアフル文庫
・「狼と香辛料 7 Side Colors」
・「名前探しの放課後 上下」辻村深月/講談社
・「日々是作文」山本文緒/文春文庫
・「夜離れ」乃南アサ/新潮文庫
・「ピュアフル・アンソロジー 片想い。」坂木司前川麻子大崎梢、安藤由希、草野たき笹生陽子/ピュアフル文庫
・「死神の精度」伊坂幸太郎/文春文庫
・「コイノカオリ」角田光代島本理生栗田有起生田紗代、宮下奈都、井上荒野/角川文庫



「女の子の気持ちなんて理解するのは難しいよ。同性から見たって、時々、ほかの女の子がなにを考えているのか分からないときがあるもの。」


「そうでもないよ。女の子だけで集まってると、気を遣うことも多いよ。いったん関係がこじれると修復するのが難しくて、取り返しがつかなくなったりするし」


「君よりも苦労してがんばっている人がいるんだから君もがんばれ、なんて言葉は無意味で、個人の状況を踏まえずに相対化した幸福にはなんの意味もない。誰だって本当は自分の好きなことや明確な人生の目標に対してしか苦しんだり努力したりはできないものなんだから。」


「それが私は時々、疑問に思うんです。生まれたときから一緒だった肉親はとにかく、そこまで赤の他人に寄り添うことができるんでしょうか」


死んでしまおうと思ったのだ。高校三年のとき、毎日、次の朝を迎えるのがうっとうしくておそろしくて、それだけの理由で夜中に眠れなくなり、明け方五時まで悶々とまだ起こってもいない嫌な出来事をくり返し想像して、とうとう夜が明けた頃に近所のコンビニへ缶コーヒーを買いに行った。


「なんて表現すればいいのか分からない、曖昧なことをびしっと言い当ててくれる本に出会ったときは感激する」


「自分が大人になった気はしないのに、年下の子を見ると、若いって思うね」

「もしかしたら、こうやって実感のないまま年を取って、いつの間にか老人になっていたりするのかな」


彼女から新しく出来た友人の話を聞くと、楽しい反面、ほんの少しだけ複雑な気持ちになる。九月までの部活の練習で私は高校時代を、それも一握りの楽しかった部分だけを今になって思いきり味わっているような幸福感を覚えていた。それは甘い感傷かもしれない、だけど個々に違う場所での日常があるのだということを忘れるほどの楽しさだったから、すっかり体に穴が開いてしまったような気分で過ごしていた。


「たしかに私にも責任はあったと思います。自分から積極的に飛び込んでいってまで仲良くはしたくない、そういう雰囲気は漂っていたかも知れません。」







「深刻な悩みなんてそこまで抱えずに、みんなきっと何気なく日常を過ごすでしょう?受験のプレッシャーも部活のプレッシャーもあまりない。さりとて、課題もほどほどに与えられるから、全く暇というわけではないし、退屈はしない」
自分自身の高校生活の感想なのかもしれない。さらりと口にする。
「飛び抜けた充実感や達成感はないかもしれないけど、とんでもない負の方向に感情が振り切れることもない」


「それなら、うちの学校の生徒にはありそうな話だな。藤見生ってのはよくも悪くも贅沢だから半端にできてるんだ。何の不自由があるわけでもないし、金や食料、明日の心配なんて何もしなくていいのに、頭だけで勝手なことを考えて行き詰まる。勝手な絶望、慢性的な不安」
「だけど、慢性的な不安ってのは薄っぺらいからこそ『慢性的』なんだろ?何のきっかけもなく急にたがが外れて、一線を越えるようなことになるってのはイメージわかない。理由はあるはずなんじゃないのか」
「わからないな。ニュースで『人を殺してみたかった。誰でも良かった』って供述している少年Aは、きっと本当にそう思ってるんだと、俺は思う。病んでるっていう一言で片付けないと外側には問題を理解できないことってのは確実にあるんだよ。きっかけがなかったとしても、俺は不思議には思わない」
天木が言い、それから吐き捨てるように「ふざけた話だがな」と続けた。



「人間は、いい意味でも悪い意味でも命汚い生き物なんだよ。どんな状況でも、考えるのはまず生きること。死ぬことを考える余裕なんて二の次だよ。少なくとも私はそう」
「坂崎はそうなんだろう。だけど、そういう余裕を持て余してる奴もいる。」
天木が無表情に告げる。
「お前の言葉を借りるなら、それは、絶望やそれに類する経験をきちんとしたことがあるやつの実感の論理だよ。派手な絶望や衝突の感情がわからないから、日常に何の変化も起こらないことただそれだけがもう苦痛だっていう奴もいる。何もないからこそなんだ」
「そんなものなのかな。だけど、私にもそんな絶望の経験なんてほとんどないけど」
あすなが弱々しく笑う。秀人が「うーん」と考え込むような声を発する。
「八方塞がりになって全てがどうでもよくなることとか、絶望を絶望だって意識できないくらい自分が空っぽになっちゃう喪失感だの悲観っていうのは、確かにあるよ。坂崎さんみたいに強い考え方をできる人とできない人は半々くらいだと思う。それが続けば疲れるだろうし、やっぱり自殺の原因になることだってあるんじゃないかな」


付き合うにしろ振られるにしろ、明確に結論の出る恋愛というのが彼にとっての『恋愛』なのであって、それは生身の人間を相手にする生きた行動だ。しかし、相手の一部分だけを知って引き込まれ、自分の理想を投影しながらただ対象を眺めるようなフィルター越しの『恋愛』もまた世の中には存在する。


『僕のこれからなんて、どうせたかが知れてるし、本当だったら僕は煙になりたかった』


「だけど、そうやって『勉強しなさい』って言っても、親や先生は、実際には外で友達と仲良く遊んでる子に安心して、それを歓迎するんだと思う。家でずっと勉強したり、本ばっかり読んでたり、そうなる子どもに対しては不安だし、心配なのかもしれないね」
まだ自分の話が続いてるのだとばかり思ったが、途中から微妙に流れの向きがずれたことを感じ取る。あすなが言った。
「がっかりさせるっていうのは、つまりはそういうこと」


「代償行為」
椿が呟いた。先を続けようとする彼を遮り、自分も缶コーヒーを飲みながら尋ねる。
「じゃ、それを書くから死なないで済んでるの?自殺しないけど、自殺の代わり」
「ある意味」


「当たり前だろ。だいたい、この趣味はココに来る前、中学の頃からやってたんだ。僕からしてみたら呼吸するみたく当たり前なことだし、正直、それ読んだキミたちがそんなに反応することの方が僕としてみりゃ新鮮っていうか、意外っていうか。キミたち、まっとうなとこで生きてきたんだなって思う。どう説明していいか、わかんないよ」







けれど“子供の頃見た夢”を諦めることが、大人になることだと私は思っていた。二十歳を超えたあたりから、私は特殊な職業に就こうなどとは考えなくなっていた。「夢」という単語は私の中から消え、それはただの「予想」になった。


自分、というものがない人は、自らの意志で物事を決めるのが恐いわけで、だから人の意見を聞きたい。そしてその結果を人のせいにしたい。
勇気がある人というのは、そう考えると「自分がある人」をさすのかもしれない。







たぶん学校で嫌なことでもあったのだろう。わたしは学校がきらいだったから。学校。わたしは見ず知らずの人がいる、そうして沢山の人間がひしめきあっている、学校という場所がきらいだった。人や、ものに、慣れることが苦手だったのだ。


わたしは、学校が相変わらずきらいで、そういう人間のつねとして、友だちが少なかった。中学を卒業しても、高校に入ってからも、それは変わらなかった。人を好きになることが、いつも苦手だった。






引用が多すぎる…これでも大分削ったんだけど。。
何だか、とても、惹かれてしまう、というより…そのまま滑り込んでくる言葉が余りにも多かったのでした。


線路の上を歩いてみたいなぁ、と思いました。
前にも、思った気がするんだけど、いつだったか、どうしてだったか、ちっとも思い出せない。

線路に寝てみたくもなったー。


みどりのゆび、を、小さい頃図書館で読んで、もう一度読みたくてやっとブックオフで購入。
一緒にトムは真夜中の庭で、も。これは実は読んだ事なかった。タイトルは知ってたし、小学校の学級文庫にあった気がするんだけど。うーん?


日々是作文、コンプレックスのお話とか猫をかぶるお話とか社交性のお話とか色々あったけど、「読むのもほどほどに」の章がある意味一番怖かった(笑)。
今更読むのは止められないんだー。別に知識を増やしたくて読んでるのとも違うし、何ていうか習性と化している。。。
あー、あと、「本屋は遊ぶところ」が好きです(笑)。